エスパー・ソルジャー・ジュン

  エスパーソルジャージュン  銀河第二惑星 中編

 


                  
                                            VOL、2
                                       COL,2 銀河歴079年

 
                                    銀河第二惑星編 前編


 銀河歴079年
 地球連邦主星地球。 各国家はなくなり、かわりにジャパン・アメリカ・ソビエト・ヨーロッパ・オーストラリア・アフリカ・アジアの7つの地域に分割され、それぞれが、地球連邦政府機関の建物の地域、各種の研究設備の地域、リゾート施設の地域と分かれていた。 また、各地域ごとの施設がその中にあった。 したがって、各地域ごとの研究所やリゾート施設が独自の良さを発揮していた。

 ここは、アメメリカ地区のカナダ惑星改善施設の会議室である。
 「このままのペースで人類が増え続けていけば、今現在の太陽系国家だけでは、人類はあふれてしまいます。」
 「そのための惑星探査と、惑星改造が行われているのではないかね。」
 「しかし、このままですと、何時次の居住可能な惑星が発見されるのか、また、惑星改造にかかる費用も莫大なものとなってしまいます。」
 ここに集まっているものは、すべて各地域の惑星改造か、惑星探査の研究所のドクターである。
 「そこで、我がジャパン支部で次のことを提出したいと思います。」
 「Dr.キリュウ。 どういうことだね。」
 「今皆様の前のモニターに映し出されているものが、今回ジャパン支部で開発している人工惑星の設計基礎理論です。 この方法だと、大規模な改造費用や、時間が短縮されるだけでなく、今まで邪魔でしかなかった隕石などのスターダスト、アステロイド・リングなどを人工重力発生装置で引き寄せ、惑星にしようと言うものです。」
 「Dr.これだけをみると簡単にできるようだが、惑星を創るとなるとかなりの時間がかかるのではないかね。」
 「確かに、今言われたことも確かですが、我々ジャパンの開発した人工重力発生装置と、このポケットに入ってしまう大きさのマイクロマシーンによって、地球規模の大きさであれば、海・山・平野などすべての条件を40時間あれば作り上げられます。」
 「40時間ね。」
 「お疑いのようですので、次のモニターをご覧ください。 これは、実験室の中で、すべてを40万分の1のスケールで行った実験です。 この大きさで、地球の環境を作り上げるまでおよそ1時間。 時間の関係で早く送っていますが、横のタイムをみて、判断していただきたい。」
 会議室の中は、一瞬にしてざわめきだした。
 「Dr.キリュウ。 おもしろい試みだ。 費用の方もわずかとなっているところがいい。 一つ実物を作ってもらい、それで検討するというのはどうかね。」
 「私は賛成です。」
 「確かにおもしろいし、なんと言ってもゴミがなくなる。」
 「Dr.キリュウ、すぐにでも実験を初めてみてくれ。」
 「はい。 ご期待に添うようジャパン支部あげて努力いたします。 この計画の全容は録画して、レポートとともにお送りいたします。」
 このとき、Dr.キリュウの両目が妖しく光のを誰も気がつかなかった。

 会議から3日後。 ここアステロイドベルトにDr.キリュウの研究チームがいた。
 「さあ、我々の未来がここにある。 この実験さえ完成すれば、銀河連邦、いやこの大宇宙全体が我々のものとなるのだ。」
 Dr.キリュウは、その両手を上に掲げ、研究員に語った。
 「作戦開始と行こうではないか。」
 Dr.キリュウは、合図を送った。
 「みていろ、ジャパン支部をいや、私をこけにしてくれた者どもよ。 正義の鉄槌が今振り下ろされるのだ。 そして、私の元で小さくなって生き延びるがいい。」
 Dr.キリュウの高笑いが艦を覆った。

 「Dr.キリュウ、ベース・コア打ち出し終わりました。」
 「よし、記録開始せよ。 ただし、惑星の完成までだ。 解っているな。」
 「了解しています。」 
 「第一次行程始動。 重力コネクター始動開始。」
 「重力コネクター始動開始します。」
 「セイフティロック・オープン、重力偏差注意せよ。」
 「了解です。 アステロイド・コア接近、融合装置作動準備。」
 「融合装置作動開始しします。」
 研究員の見守る中、アステロイドの中に質量を持った惑星が形作られていった。

 「十分大きくなるまで育てよ。」
 「Dr.キリュウ、月クラスまでに後15時間。」
 「よし、その大きさにまでなったら、ひとまず完成だ。 其処までの記録はとっておけ、一応レポートとして提出する。」
 「了解です。」 
 「第二次行程は、16時間後にスタートさせる。 各員の力の見せ所となる。」

 月クラスにまで成長した惑星は、大気循環システムが作動し、青く輝く月となって、ラグランジェ・ポイントに落ち着いた。
 Dr.キリュウは、資料を持って、会議に向かったが、残った研究員は、その惑星を改造するために、地表から内部に入っていった。

 「Dr.キリュウ、よくやってくれた。 人類にとって、君の研究は歴史に残るだろう。 この惑星開発がさらに進めば、人類は、移住可能な惑星を改造することもなく、移住できる。」
 長官は、Dr.キリュウに握手を求め、その姿は、惑星ビデオとなり、各植民星に届いた。 だが、握手をしてているDr.キリュウの目に妖しく光る者があったのを誰も気づかなかった。

 惑星は、銀河第二惑星アローンと名付けられた。 第一次植民として、Dr.キリュウとその研究員が、その後の開発のため移住した。
 この事が、銀河連邦に危機をもたらすとは誰も知らなかった。

 「いよいよ我々の星が完成する。 第三行程開始だ。 この銀河第二惑星で我々の悲願である宇宙統一ができるのだ。」
 Dr.キリュウは、先頭を切って銀河第二惑星に降り立つと、その内部へと消えていった。
 銀河第二惑星は、外から見た姿こそ地球型の改造惑星であったが、その中心部から外側に20キロメートルまでは、惑星をコントロールする装置として開発されたコンピュータ・ビッグマウスの端末と、赤道面と極地に隠されている推進用の巨大なエンジンがあった。 また、如何なる攻撃からも身を守るための迎撃システムも隠されていた。
 「これより2時間、私は、ビッグマウスに最後のプログラムを入力する。 緊急なこと以外では、絶対に私を呼ばないでほしい。」
 そう言うと、Dr.キリュウは、コンピュータ・ルームの扉を閉めた。

 2時間後、Dr.キリュウは、コンピュータ・ルームから姿を現し、研究員に語った。 「銀河第二惑星は、いま完成した。 これより、銀河第二惑星は、本来の仕事を開始する。 各セクションの持ち場に着き、次の指示があるまで待機せよ。 みんなここまでよくやったくれた。 これより、我々の世界を創るのだ。」
 「うおー。」
 各セクションで歓声が上がった。

 「各セクションは位置に着いたな。 これより、オペレーションワンを実行に移す。 速やかに始動開始だ。」
 Dr.キリュウの言葉に書くセクションオペレーターは行動を開始した。
 「全天宙レーダー異常なし。」
 「動力接続。 ・・・。 接続完了。 エネルギー・ゲージ・オール・グリーン。」
 「ビッグマウス、始動認めました。 オペレーション・ワン、始動開始。」
 「よし、オペレーション・ワンスタート。」
 Dr.キリュウの合図とともに、銀河第二惑星は、移動を開始し始めた。

to be continued
2002.11.23.(土)

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