エスパー・ソルジャー・ジュン

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                                           VOL、3
                                     COL,23 銀河歴584年


                       JUN OF PASS AWAY DREAM 後編1


 長官は、やっとの思いでパスワードを解放し、ミディアの履歴に到達できた。
 「ジュン。 やっと見つけたぞ。」
 「あら、長官遅かったのね。 コーヒーが冷めてしまいましたわよ。 今入れ直してきますね。」
 そう言うと、彼女は、ジュンにウインクして長官室を後にした。
 「で、彼女は。」
 「ミディア・フレンチーノ。 26歳。 両親は、彼女が12歳の時に事故により死亡。
 その後、孤児となった彼女は、軍が引き取り、中等訓練所に入隊。 18歳で、ESP研究所に就職。 そこでの研究が認められ、対策本部へ移り、ESP事件調査部部長となった。 しかし、このところ、ビッグ・エスを勝手に使用しているな。 セキュリティを機械に任せておくと、こういうことが起きていかん。」
 「ビッグ・エス。 中央管理コンピュータでしたね。」
 「そうだ。 パスワードと、声紋、網膜パターンなどの複雑な・・・いや、ただ面倒なだけの時間さえかければ突破できるセキュリティの中にあって、普段は近づけない。」
 「そこにいって何をしていたんでしょうね。」
 その時、秘書が入れ直したコーヒーを持って現れた。
 「ところで、このデータは、そのビッグ・エスから引き出したのですか。」
 「いや、ビッグ・エスから切り離されているここのホストコンピュータからだが、前の長官がやけに慎重な男で、あちこちにパスをかけていたんだ。」
 「私にいっていただければ、パス無しでアクセスできましたのに。」
 「これだよ。 秘書に全て任していたんだ。」
 「それより、自分にビッグ・エスとのコンタクトの許可がほしいのですが。」
 「何を始めるか知らんが、いいだろう。」
 「ここから接続してみます。」
 「できるのかい。」
 「ここだと、パス無しでコンタクトできます。 もちろん長官はご存じでしたよね。」
 「あ・あたりまえだ。」
 「ジュン、こちらの端末を使ってください。 今接続しますから。」
 秘書は、端末を起動させると、すぐさまビッグ・エスを呼び出した。
 「本当に知っていたんですか。」
 秘書とジュンは、同時に長官の顔をのぞき込んだ。
 「わ・解っていたさ。 ほ・本当だぞ。」
 長官は耳まで真っ赤になって、コーヒーを飲んだ。
 「そう言うことにしておきましょうね。」
 「さて、これは音声入力できますよね。」
 「だ・大丈夫だ。 そのくらいは・・・・」
 「ビッグ・エス。 ミディア・フレンチーノは君を使って何をしていたんだい。」
 「私は、ビッグ・エス。 エスパー・ソルジャー・ジュンとユリカについて資料を集めていました。 それと、クローンについて最近は研究していたようです。 さらに、私を介して、航空機の事故を行っていました。」
 「やはりな。 それで、ジュンを調べてどうするつもりだったか、解るか。」
 「そこまでは、解りません。」
 「ビッグ・エス。 今の記録は全て消去しておくんだ。」
 「了解いたしました。」
 ジュンは、ここで端末のスイッチを切った。
 「長官。」
 「参ったな。 すぐさま逮捕することはできるが、ちょっと気になることがある。」
 「クローンですね。」
 「それと、ビッグ・エスとの繋がりがはっきりしないことには。」
 「ならば、こういうのはいかがでしょう。 藪をつついて蛇を出しましょう。」

 それから二ヶ月が過ぎた。
 「部長。新人が到着しました。」
 「こちらに案内して。」
 ミディアは、席を立つと、応接室に入っていった。
 「失礼します。 本日付けを持って、こちらに移動になりましたメディチ・シーケンシャル・キムです。 よろしくお願いします。」
 「私が、ここの部長のミディアです。 やっと来たわね。」
 ミディアは、リストを見ながら呟くように言った。
 「私の研究の手伝いをしていただくためにこちらに呼んだの。 ほかの人たちとは別のところで仕事をしてもらうことになるけれどいいわね。」
 「はい。」
 「こっちよ。 一緒に来て。」
 二人は、応接室を出ると、地下30階にあるミディアの個人研究室に向かった。
 「あなたに手伝ってもらいたいのは、この仕事よ。」
 二人の前で重い扉が開いた。
 「えっ、この設備はいったい。」


JUN OF PASS AWAY DREEM  後編1了
2003.03.09(日)

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